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ファブリー病とは

ファブリー病は「ライソゾーム病」のひとつで(ライソゾーム病とは)、遺伝性の病気です。
1898年、ドイツの皮膚科医ファブリー博士と、英国の皮膚科医アンダーソン博士によって初めて報告されました。

ファブリー病の原因

ファブリー病患者さんでは、細胞のリソソームに含まれるα‐ガラクトシダーゼという酵素を作るための遺伝情報に変化が生じています。
そのため、α-ガラクトシダーゼにより分解されるグロボトリアオシルセラミド(GL-3)という物質が分解されにくくなり、全身の細胞や組織に蓄積することでさまざまな症状を引き起こします。
ファブリー病の発症を左右するα‐ガラクトシダーゼの遺伝情報は、X染色体上にあります。

X染色体とは

X染色体は性別を決定する「性染色体」です。

遺伝情報はDNAにコードされています。
DNAはコンパクトに折りたたまれ、染色体として細胞の核の中に収められています(図1)。

ヒトの核内には23対(46本)の染色体が存在します。
その中の1対が性別を決定する「性染色体」です。

遺伝子と染色体

図1:遺伝情報と染色体

男性の場合はX染色体とY染色体を1本ずつ、女性の場合はX染色体を2本持っています。

性染色体は父親と母親から1本ずつ受け取ります(図2)。
男性は母親から1本、女性は母親と父親から1本ずつX染色体が伝わります。

性染色体と伝わり方
性染色体と伝わり方

図2:性染色体と伝わり方

ファブリー病の患者数

ファブリー病の発症頻度は、4万~11.7万人に1人1)2)と推測されていましたが、新生児を対象としたマススクリーニングの結果、日本では約7千人に1人3)、イタリアでは約3千人に1人4)と、実際の患者数は従来の推測よりも多いのではないかと考えられています。

生後数日の新生児を対象とした血液検査です。治療が可能で、放置すれば心身障害を引き起こす可能性のある先天性の代謝異常を早期発見し、発病や重症化を防ぐ目的で行われます。

【参考文献】

  • 1)Desnick et al. The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease 8th ed. Mcgraw-Hill, New-York, 2001, p3733-3774.
  • 2)Meikle PJ et al. JAMA. 1999; 281(3): 249-254.
  • 3)Inoue T et al. J Hum Genet. 2013; 58(8): 548-552.
  • 4)Spada M et al. Am J Hum Genet. 2006; 79(1): 31-40.

ファブリー病の症状・分類・診断

ファブリー病はゆっくりと進行し、さまざまな症状が全身に現れますが、すべての患者さんに同じ症状が出るとは限りません。

ファブリー病の症状

現れる症状の種類や程度には個人差があり、子供のころから現れやすい症状や成人に現れやすい症状があります。

子供のころから現れやすい症状
神経の症状:手足の痛み
指先を中心に、数分から数時間続く痛みが周期的に現れたり、やけるような痛みやズキズキした痛みを感じたりすることがあります。
体温や気温の変化、運動によって引き起こされることがあります。
皮膚の症状:赤い発疹(被角血管腫 ひかくけっかんしゅ)
へその周り、そけい部、外陰部などに赤い発疹が現れることがあります。
痛みやかゆみはありません。
皮膚の症状:汗をかきにくい
暑くても汗をかきにくいため体温調節がしにくく、夏の暑い日には倦怠感が強くなります。また、熱中症への注意が必要です。
皮脂が少ないため、肌が乾燥しやすくなります。
消化器の症状:腹痛、下痢
食後に腹痛や下痢などが起こることがあります。
その他の症状:角膜のにごり、口の渇き、目の渇きなど
子供のころから現れやすい症状
成人してから現れる症状
ファブリー病の分類

ファブリー病の分類

性別 男性 女性
分類 古典型 遅発型(心型、腎型) ヘテロ接合型
特徴 ファブリー病の典型的な症状が現れている男性患者 発症年齢が遅く、心臓や腎臓など一部の臓器に症状が現れている男性患者
心臓に現れる場合は「心型」、腎臓に現れる場合は「腎型」に分類され、全身の症状は認められない
女性患者
古典型患者のように症状が強い場合もあれば、ほとんど症状が現れない場合もある

ファブリー病の診断

ファブリー病は現れている症状・家族歴の確認、酵素活性や遺伝子検査などが行われます。

症状・家族歴の確認

現れている症状がファブリー病の症状であげられている内容に当てはまるかどうかを調べます。
また、家族内にファブリー病の患者さんがいるかどうかを調べます。

ファブリー病の家族歴

ファブリー病が疑われる場合、両親や兄弟にファブリー病患者がいるかどうかは診断をするうえでとても重要な情報です。

α-ガラクトシダーゼの遺伝情報がのっているX染色体は、男性は母親から1本、女性は母親と父親から1本ずつ伝わります(X染色体とは)。

父親がファブリー病の場合、男性は父親からはX染色体を受け取らないので遺伝しませんが、女性は父親からX染色体を受け取るため、必ずヘテロ接合型になります(図1)。

遺伝子と染色体

図1:父親がファブリー病の場合

遺伝子と染色体

図2:母親がファブリー病の場合

母親がファブリー病(ヘテロ接合型)の場合、男性は1/2の確率でファブリー病を発症し、女性は1/2の確率でヘテロ接合体になります(図2)。

一方で、両親ともにファブリー病でない場合でも遺伝子変異によって発症することがあります。

酵素活性検査

血液中の血漿、白血球、尿中に含まれるα-ガラクトシダーゼやGL-3の量を測り、α-ガラクトシダーゼ活性(はたらきの程度)を調べる検査です。
α-ガラクトシダーゼ活性が低い、あるいは欠けている場合はファブリー病の疑いが強くなります。

遺伝子検査

血液や皮膚の細胞などを使ってα-ガラクトシダーゼをコードする遺伝子の変異を調べます。

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