ライソゾーム病とは
ライソゾーム病は、細胞小器官のひとつであるリソソームに異常が起こって発症します。
ライソゾーム病には、ファブリー病を含め50以上の疾患があるとされています。
ライソゾーム病は厚生労働省の指定難病に認定されています。
- 難病情報センターホームページ
- http://www.nanbyou.or.jp
リソソームとは
ヒトの細胞の中には核やミトコンドリアなど、たくさんの小器官があります。
細胞小器官は体を保つための大切な役割を、それぞれ持っています(図3)。
リソソームは細胞小器官のひとつです。
細胞内でいらなくなった老廃物などを、さまざまな種類の酵素を使って消化・分解するはたらきを持ちます。

図3:ヒトの細胞
ライソゾーム病が発症する理由
ライソゾーム病になると、消化・分解を担う酵素が十分にはたらかず、本来分解されるはずの老廃物などがリソソーム内に溜まって(図4)、全身にさまざまな症状が現れるようになります。

図4:ライソゾーム病の患者さんの細胞
ライソゾーム病には、どの酵素がうまくはたらいていないかによって、さまざまな種類があります(表)。
α‐ガラクトシダーゼという酵素がうまくはたらいていない場合、「ファブリー病」になります。
病名 | はたらきにくい、量が足りない酵素 | 蓄積する物質 |
---|---|---|
ファブリー病 | α‐ガラクトシダーゼ | グロボトリアオシルセラミド など |
ゴーシェ病 | グルコセレブロシダーゼ | グルコセレブロシド |
ポンペ病 | α‐グルコシダーゼ | グリコーゲン |
ムコ多糖症 (ハンター症候群、ハーラー/シャイエ症候群など) |
ムコ多糖分解酵素 | ムコ多糖 |
表:ライソゾーム病の例